3月(弥生)の晦日餅「さくら大福」

「さくら大福」

日本では、果実のさくらんぼを食用としたり、花や葉も塩漬けにして食品に利用されます。

特に平安時代、桜は鑑賞目的として花の代名詞のような位置を占めるようになります。当初は野生に自生するヤマザクラが代表的な品種でしたが、花の色や付き方、見栄えが良かったり突然変異など何世代にもわたり、選抜して育て接ぎ木など行い品種が開発され花見に利用されました。

平安時代には、すでに八重桜やしだれ桜、糸櫻などが存在することが当時の文献に記録されているそうです。また鎌倉時代以降は鎌倉周辺に自生するオオシマザクラが栽培されて京都に持ち込まれたと考えられています。

室町時代にはオオシマザクラを由来とする桜が生まれ、江戸時代には、サトザクラ群やソメイヨシノなどが生まれました。

日本人に馴染み深い桜を使い、今月の晦日餅にしました。

つき立てのお餅に塩漬けの桜の花を混ぜ込み、そのお餅でこしあんを包みました。桜の香り漂う春らしい一品です。桜の花の僅かな塩味が、甘さを引き立ててくれます。

温かい日本茶と共に召し上がると、気分はもうお花見です。